逃げ込んだ洞窟、乳が出ず餓死した幼子 生き残った母は

有料会員記事

伊藤和行
[PR]

 76年前の沖縄戦で家族ら11人を失った体験を語り継ぎ、昨年11月に99歳で亡くなった女性がいた。その体験を後世に残そうと、社会派講談の第一人者、神田香織さん(66)が女性の体験記をもとに新作をつくった。26日、東京都中野区の「なかの芸能小劇場」で初上演する。

 女性は安里要江(あさととしえ)さん。太平洋戦争末期、米軍が上陸し多くの住民が巻き込まれた沖縄戦で、十数人の家族とともに本島中南部を逃げ惑い、母や夫、3歳の長男や9カ月の長女ら親族11人を亡くした。

 戦後はつらい記憶に苦しんだが、三十三回忌の年に初めて、テレビ局の取材で公に体験談を語った。その後も「生き残った自分の使命」と、98歳まで語り続けた。戦後50年の1995年には「沖縄戦 ある母の記録」(高文研)を出版。沖縄戦を描いた映画「GAMA 月桃の花」のモデルとなった。

 原爆投下の被害を描いた漫画「はだしのゲン」や東京大空襲などを講談の題材にしてきた神田さんは昨年11月、安里さんの悲報を聞いた。「98歳まで語り続けた使命感を受け継がなければ」と思った。沖縄戦を「戦争三部作」の一つとして取り上げることを決めた。

 安里さんの体験記を読み、自…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。