「ふるさと船橋の原点」 1万年前の集落跡が国史跡に

平井茂雄
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 縄文時代早期前葉(約1万年前)の貝塚を伴った集落跡としては関東最大級の「取掛(とりかけ)西貝塚」(千葉県船橋市)が、新たに国の史跡に指定される見通しになった。国の文化審議会が18日、文部科学相に答申した。指定されれば、県内では2019年の墨古沢遺跡(酒々井町)と下総佐倉油田牧跡(香取市)以来で、31件目となる。

 取掛西貝塚は、同市飯山満(はさま)町1丁目から米ケ崎町にかけての農地や宅地に広がり、そのうち市有地や所有者の同意を得た3万9千平方メートルが答申の対象になった。

 舌のように突き出た台地上の東西約500メートル、南北約150メートルの広さの中に、竪穴式住居跡58軒や貝塚が見つかっている。宅地開発などに伴って1999年から市教育委員会の調査が始まり、2008年の第5次調査では、イノシシやシカの頭骨などを並べた日本最古の動物儀礼跡が見つかった。市教委は、これ以上の開発から保存するため、17年から国史跡を目指して本格的に調査していた。

 ヤマトシジミを主体とした貝層や、狩猟に使われた石器、骨針なども見つかっており、同審議会は「貝塚形成の開始期の状況を知る上で欠くことのできない遺跡」「豊富な出土品から当時の生活の様子を復元することができ、また早期の精神文化にも迫ることのできる稀有(けう)な遺跡」と評価した。

 一方、縄文時代前期(約6千年前)や弥生時代(約2千年前)の住居跡などもみつかっており、その時代の気候や生活を知る手がかりになるという。

 答申を受け、松本文化(あやか)教育長は「人と海との関わりのルーツとなる遺跡であり、東京湾の恵みにより人々が集まり、発展してきた『ふるさと船橋』の原点。大切に伝えていきたい」などとコメントした。(平井茂雄)