ライチョウの卵確認 中央アルプスで半世紀ぶり自然繁殖

近藤幸夫
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 中央アルプスでは絶滅したとされてきた国の特別天然記念物・ライチョウの「復活作戦」を進める環境省信越自然環境事務所(長野市)は18日、木曽駒ケ岳(2956メートル)周辺などで巣と卵を確認したと発表した。今月中旬までの生息調査で3つがいの巣を見つけており、半世紀ぶりに自然繁殖による産卵、抱卵が確認された。順調にいけば来月上旬にも孵化(ふか)し、ケージ保護を実施する。

 公開された卵は、2018年に飛来が確認され、「復活作戦」のきっかけとなったメスが産んだ。環境省は、19年には生息地の北アルプス乗鞍岳から、20年には動物園などから移送した有精卵と、このメスが産んだ無精卵を入れ替えて孵化(ふか)させる作戦を実施。しかし、いずれも孵化には成功したが、10日以内にヒナが全滅していた。

 一方、同省は昨夏、乗鞍岳から3家族計19羽(母鳥3羽、ヒナ16羽)を移送して中央アルプスで放鳥。すると、今年4~6月の生息調査で5つがいが確認できた。このうち1つがいは、18年に確認されたメスと若鳥のオスのペアだった。

 5つがいのうち、4つがいは木曽駒ケ岳周辺で、1つがいは宝剣岳~空木岳の間で生息が確認された。同省は今年産まれた卵の孵化後、木曽駒ケ岳周辺の4家族を木枠と金網で作ったケージで保護して「個体群復活」の足がかりとする予定だ。(近藤幸夫)