政府の財政再建目標 内閣府の達成シナリオは本当か

有料会員記事

榊原謙
[PR]

 国の経済の大きさに対して、公的な借金がどのくらいあるかを示す指標について、「安定的な引き下げをめざす」という財政健全化の目標が、18日に閣議決定された今年の「骨太の方針」に明記された。政府は今後高い経済成長ができれば、2030年度に向けてこの比率は順調に下がると見込む。だが、30年度以降はどうなのか。ある財政学者が試算をしてみた。

 「債務残高対GDP比の安定的な引き下げをめざす」

 今年の「骨太の方針」に入った財政健全化に関する目標の一つだ。国内総生産(GDP)に占める債務(借金)残高の割合のことで、各国の財政の健全度を国際比較するときなどに参照される。

 内閣府によると、新型コロナウイルス感染対策に112兆円の新規国債を発行した20年度、日本の公的な借金の残高は1159兆円まで拡大。GDP比でみると、216・3%となり、前年の190・2%から大きく上昇した。先進国では最悪の水準で、骨太方針はこの比率の「安定的な引き下げ」をめざすことを掲げているのだ。

 コロナ禍の前から毎年新たな借金をしないと予算が賄えない状態が続いているのに、本当に借金の割合を減らしていけるのか。そう思うのが自然だが、今年1月に内閣府が発表した試算をみると、骨太方針の目標は達成できる見通しになっている。

 高い経済成長を実現できた場合、20年度に216・3%だった対GDP比は、その後、年を追うごとに低下。試算のゴールである30年度には168・5%まで下がるというのだ。現実的な成長を前提にした場合も30年度の比率は208・1%。ほぼ横ばいだが、20年度からは低下するという見立てだ。

 こうした内閣府の試算については、「本当なのか」といぶかしむ声もある。そこで、財政学が専門の慶応大土居丈朗教授は、内閣府が試算していない31年度以降、対GDP比がどうなるのかをシミュレーションしてみたという。

 土居さんは内閣府の試算の前…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。