生け花しようよ 32歳「イケメン」は高みを目指す

高橋孝二
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 生け花に魅せられ、20年以上。岡山県備前市の江木淳人(あつひと)さん(32)の青春は華道とともにありました。コロナ禍で活動が制約されるなか、インターネットを主戦場に動いています。

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 2016年、「華道家元池坊」の若手5人が結成した「IKENOBOYS(イケノボーイズ)」の初期メンバーの1人。若い世代に魅力を伝えようと活動し、「花を生けるメンズ」として「イケメン」とも呼ばれる。

 コロナ禍でリアルのパフォーマンスは難しい。12人に増えた18~37歳のメンバーは今、作品をインスタグラムに投稿し、「いいね」の数を競う。最近の自身の投稿は、ハイヒールのような曲線を持つ薄紫の花器に、小さなペチュニアを生けた作品。花器のフォルムや質感が伝わるようアレンジしたという。

 華道歴は20年を超す。小学2年のとき、実家のある矢掛町であった生け花教室で習い始めた。以来のめり込み、20代前半には、弟子を取ることが許される池坊の資格「引き立て教授」を取得した。

 器へのこだわりも深い。中でも備前焼の持つ力に魅了された。「大地の色を醸し出す自然の風合い。備前焼ほど、大地で花を咲かせる植物を引き立たせる器はない」。備前市に住み、備前焼ミュージアムの学芸員を務めている。

 池坊で華道を学ぶ男性は数%ほどだけで、男性を含む若い世代へのアピールのため、IKENOBOYSメンバーに白羽の矢が立った。担当者がひたむきに華道を学ぶ姿を鮮明に覚えていたという。

 葉を省く構成力、花材に手を加えて曲げる扱いへの評価は高い。より手軽に、よりカジュアルになってきた生け花。「さらなる魅力を探究している最中です」と新たな地平を求める。(高橋孝二)