NY市長選、焦点は治安対策 22日に民主党の予備選

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ニューヨーク=藤原学思、中井大助
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 米国最大の都市、ニューヨーク(NY)の次期市長が事実上決定する民主党の予備選が22日にある。新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、「コロナ後」の社会に焦点が向くなか、有権者はどのようなリーダーを選ぶのか。選挙戦は、民主党の方向性も占う。

 《6月19日を祝おう》。黒人が多く住むNY・ハーレムで19日、そんな横断幕を掲げた子どもたちがパレードをした。1865年のこの日、最後まで解放されていなかったテキサス州の黒人奴隷に制度廃止が告げられた。今年から連邦の祝日になったが、きっかけは昨年、黒人のジョージ・フロイドさんが警官に首を圧迫されて亡くなった事件。ブラック・ライブズ・マターのデモが続き、過去を見直そうという動きが広がった。警察への視線も厳しくなり、NYでも警察予算の削減を求める声が高まった。

 パレードを見守った活動家のジェームズ・グレイさん(41)も過去に警察から不当な扱いを受け、市警を相手に訴訟を起こした。ただ、3日後に迫る予備選の最大の関心事は、治安対策だ。「子どもたちが危険にさらされるケースが多すぎる」。グレイさんのように日常生活に不安を抱える市民は多い。市内では今年、630件以上の銃撃事件が発生。2019年の1年間で起きた776件に迫る。殺人事件も6月上旬までに181件発生し、昨年の同時期と比べて約1割多い。今月5日には、10歳の男児が銃撃を受けて死亡する事件も起きた。

 市長選では「治安対策」が一大争点だ。地元テレビ局などの5月の世論調査では、次期市長が取り組むべき課題を複数回答で聞いたところ、「犯罪と公衆の安全」が46%と最多。1カ月半前に比べて14ポイントも増えた。「新型コロナウイルス感染拡大の防止」は24%、「人種間の不正義」は20%にとどまった。

 選挙戦もそうした有権者の意向を反映する。当初は昨年の大統領選にも立候補し、知名度がある起業家のアンドリュー・ヤン氏が新型コロナからの立ち直り策などを訴えて優勢だった。だが、警察官出身で治安対策を強調するエリック・アダムス氏が逆転し、各世論調査でトップに立つ。ヤン氏は朝日新聞の取材に「犯罪件数が上がり、選挙戦で最大の関心事になった」と言う。

 民主党の主要候補5人の中で…

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