「島に住めなくなるぞ」 離島でリコール署名にかかる圧

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奥村智司、米田悠一郎
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 九州の離島で今春、首長のリコール解職請求)に向けた署名集めの動きが相次ぎ、いずれも必要数に満たず不成立に終わった。集めた署名簿が公表される制度への懸念が背景にあり、「自由な署名を阻む要因になっている」と制度改正を求める声が上がっている。(奥村智司、米田悠一郎)

 世界自然遺産の島で知られる鹿児島県屋久島町で4月、荒木耕治町長(71)らの出張旅費不正問題をめぐり、住民団体「清く正しい屋久島町を創る会」が、第三者による調査を拒む荒木町長へのリコールに向けて署名活動を始めた。

 地方自治法により解職を問う住民投票には1カ月で3380筆の署名が必要だったが、有効署名は3335筆にとどまる見通しとなり、町選挙管理委員会への署名簿提出は見送られた。

 町内で建設業を営む60代男性は、地元の有力者から「署名すると島に住めなくなるぞ」と電話で「圧力」を受け、署名しなかった。「町関連の仕事が回ってこないと生活できなくなる不安があった」と漏らす。

 男性が懸念する背景には、署名が公になる縦覧制度がある。署名が必要数に達すれば、名前、住所、生年月日が書かれた署名簿が公表され、町長に「ノー」を突き付けたのがだれか、一目瞭然となるからだ。

 住民投票で解職が否決された…

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