党首とツーショットは不人気 政治家ポスターに料理人も
通常国会が16日に閉会し、秋までにある衆院選に向け福島県内の候補予定者も臨戦態勢に入りつつある。その象徴が政党幹部らと並ぶ「2連ポスター」だ。公職選挙法は任期満了の半年前から個人ポスターの掲示を禁止するため、政党の政治活動用の「2連」への貼り替えが進む。「相手選び」を分析すると、各党の現状も浮かぶ。
衆院選で福島1~5区に立候補を予定する主な予定者11人に2連ポスターの相手を聞いたところ、自民党の菅義偉総裁はゼロで、立憲民主党の枝野幸男代表は1人。菅内閣の支持率は政権発足以来最低水準に落ち込み、立憲民主の政党支持率も低迷を続ける。菅氏はコロナ対応で後手に回り、枝野氏は原発事故時の「ただちに影響はない」発言が批判された経緯があり、「並ぶメリットがない」(立憲関係者)との声がある。
党首の「代役」として、自民の予定者は知名度の高い閣僚や所属する党や派閥の幹部、立憲は党幹部や地元県議、共産は党幹部といった顔ぶれが並ぶ。
現職同士の選挙戦となる見通しの3区。立憲の玄葉光一郎衆院議員はラジオアナウンサーの大和田新氏、日本料理人の野崎洋光氏、岳父の佐藤栄佐久元知事らを起用した。1993年の初当選以来、民間人との2連ポスターは初めてで、玄葉氏が直接依頼した。「政治家との2連はありきたり。地元の方々から男女や年代などを考慮した」(玄葉氏)という。
自民の上杉謙太郎衆院議員は小泉進次郎環境相とのツーショット。小泉氏は被災地支援で来県を重ねるなど県内での知名度も抜群で、「同世代としてともに新しい時代を作る」(上杉氏)との思いがある。
上杉氏は荒井広幸元参院議員の元秘書。荒井氏は進次郎氏の父、純一郎元首相とは郵政民営化で対立した政敵関係だった。恩讐(おんしゅう)を越えたかのようなツーショットに、支持者から「進次郎氏の父は荒井さんとケンカしたことも考えてほしい」との指摘もあったという。(関根慎一)
●主な候補予定者の2連ポスターの相手
〈1区〉
金子恵美(立憲)…岡田克也元外相、県議5人
〈2区〉
平善彦(共産)…山下芳生副委員長
〈3区〉
玄葉光一郎(立憲)…ラジオアナウンサー、料理人、空手家ら
上杉謙太郎(自民)…小泉進次郎環境相
〈4区〉
菅家一郎(自民)…下村博文政調会長
小熊慎司(立憲)…平野博文代表代行、県議
〈5区〉
鳥居作弥(立憲)…枝野幸男代表、金子恵美衆院議員
熊谷智(共産)…志位和夫委員長
*候補予定者は敬称略
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- 【視点】
「2連」の相手が誰か、全国調査をすれば面白いのに、っていっつも思ってました!いろんなことが見えてきます。それにしても料理人さんとの2連とは…
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