半世紀ぶり日曜議会 コロナ対応、手続き遅れる神奈川県

新型コロナウイルス

足立優心、末崎毅
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 神奈川県で、新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」にともなう飲食店への酒類提供の停止要請が、21日から一部緩和される。店は約2カ月ぶりの「酒解禁」に備えるが、時短営業の出口は見えず、苦境が続く。

 「お酒解禁!」。横浜市中区で飲食店を営む店主(50)は20日、こんなメッセージをLINEで常連客に送信した。県が酒類提供の停止を要請した4月28日以降は、ノンアルコールの飲料でしのいでいた。「料理と酒を組み合わせる幸せを再確認してもらえたら」

 とはいえ横浜市川崎市の飲食店などを対象に昨年12月7日から始まった時短営業は、対象の地域や要請内容が少しずつ変わりながら半年以上続いている。店主は「病床が逼迫(ひっぱく)して再度規制がかからないことを願うばかり。飲酒制限だけでなく時間規制の緩和も早々に願いたい」と話す。

 要請に応じた店には協力金が支払われるが、県内では4月20日以降分の申請受け付けが始まっていない。協力金額が企業の売上高などに応じて決まる方法になり、手続きが煩雑になったためという。受け付けは30日に始まる予定だが、既に申請を受け付けている埼玉県千葉県より遅れている。

 苦境で要請を守れない店も出てきている。横浜市内で午前0時まで営業する店の運営会社代表(36)は「店をしばらく開かなければ生ビールも食材もすべて捨てるしバイトも辞めてしまう。緩和されてから再開するのは新しく経営し直すのと同じくらい大変だ」。

 この会社は市内や都内で複数店を出しており、昨年春の最初の緊急事態宣言では全店で要請を守った。しかし支払われた協力金は毎月の出費に見合わない額だったという。会社には県から時短命令に向けた事前の通知が届いたが、「企業の生死にかかわる」と応じないつもりだ。

 別の居酒屋の運営会社は今年1月の緊急事態宣言時は時短要請に応じた。しかし協力金は書類の不備などを理由に何度も突き返され払われていないという。「店が潰れたとしても誰も責任は取ってくれない。補償がされない中で、自主独立してやっていかないとまともに生きていけない」と店関係者。この会社にも県から時短命令の事前通知が届いた。命令に応じなければ過料が科される可能性もあるが、過料を払ってでも営業するつもりだ。

 要請に応じないとして県が時短営業を命令した店はこれまでに81店。「命令に従って頂けなければ過料の手続きに粛々と入っていく」(県幹部)という。

 一方、県議会では20日に「日曜議会」が開かれ、要請に応じた事業者への協力金を交付するための総額約485億円の補正予算案を審議した。重点措置の延長は17日に決まったが、18日に代表質問があったほか、議案の準備もあり、早期に成立させるため、20日の開催となった。県議事課によると、日曜日の開催は1973年5月以来という。

 本会議後の委員会では県議から「事業者に迷惑がかからないようにお願いしたい。感染対策に協力して頂いているのだから協力金は早く、公正に、正確に審査できるように」(自民・小川久仁子氏)などと県に対応を求める声があがった。補正予算案は21日に可決される見通しだ。(足立優心、末崎毅)

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