「来てほしいけど」 コロナと五輪にやきもきする観光地

徳島慎也
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 【宮城】日本三景・松島を通過した聖火リレーのにぎわいは、長続きしなかった。東北有数の観光地はこの1年半、コロナ禍で逆風にさらされ続けている。観光客にはぜひ来て欲しいが、「感染が広がるのも」と複雑な心境だ。

 20日昼過ぎ、松島湾に臨む広場に到着した聖火は、遊覧船に乗せられて、桂島に向かった。

 松島名物の遊覧船が経営を揺さぶられている。松島島巡り観光船企業組合の中島一都さん(42)によると、県外や海外からの客が激減して土日の乗客は3割ほど。感染対策で400人乗りの船の定員を半分にしているが、席は埋まらない。「五輪で来てもらいたいけど、大々的に言ってもいいのか。葛藤はある」

 聖火のセレモニーが終わると、観衆はみるみる減った。

 近くで鈴木屋物産店を切り盛りする鈴木健一さん(30)は「今年1、2番の人出だったけど、来店する人はそこまでおらず、経済効果は限定的」と感じた。

 遠方からの来客が減り、売り上げはコロナ前の2~3割ほど。「五輪でお客さんに来てもらいたいけど、感染が収束しないのが一番まずい」。競技が行われるのは利府町で、「松島まで来てもらえるのかもわからない」と効果を見通せずにいる。(徳島慎也)