第2回「灰色のサイ」が走る中国大陸 止まらぬ高速鉄道建設

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湘西トゥチャ族ミャオ族自治州=平井良和
写真・図版
中国共産党100年 「強国」の現在地② デザイン・川添寿
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 「中国の盲腸」。交通の便のあまりの悪さからそう呼ばれてきた地域がある。

 中華人民共和国の「建国の父」と呼ばれる毛沢東を生んだ南部の湖南省。その西部に位置する湘西トゥチャ族ミャオ族自治州の山岳地帯だ。

5月半ば、300万の住民がわずかな耕地で米やミカンを育てて暮らす同州を訪れると、山あいに点在する少数民族の村々は毎日のように降り注ぐ雨と霧の向こうにかすんでいた。

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少数民族が暮らす「中国の盲腸」と呼ばれてきた奥深い山中を貫通する高速鉄道の高架。7月1日の中国共産党創立100周年にあわせた開業が目指されている=2021年5月12日、湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州、平井良和撮影

 この深く険しい山々が他の地域との交流を阻み、歴史的にも開発や中央の統治が及びにくかった。1949年の建国後も、国民党軍の残党がこの地に逃げ込み、共産党政権は「平定」までに3年を要した。

 2013年に習近平(シーチンピン)国家主席が貧困地の視察に訪れた際、地元メディアは、テレビを持たない村人が習氏の顔を知らなかったと報じている。

中国共産党の結党から100年。連載「『強国』の現在地」は、世界の盟主の座を見すえ、米国との覇権争いに挑む共産党の力の源泉や、待ち受ける課題を探ります。連載の第2回は高速鉄道網に焦点を当てます。

列車見たことがない91歳の涙

 その「盲腸」で今、山を南北に貫く最高時速350キロの高速鉄道の建設が進む。

 同自治州永順県芙蓉(フーロ…

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