株主提案48社に162件 増配要求や環境対応巡り攻防

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稲垣千駿
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 株主総会がピークを迎えている。株主提案の数は高止まりし、機関投資家議決権行使の基準を厳しくしている。東芝が経済産業省とともに海外投資家へ圧力をかけたとされる問題もあり、今年は各社のガバナンス(企業統治)の質が一層問われる場となりそうだ。

 三菱UFJ信託銀行のまとめによると、株主提案が出たのは48社。過去最多だった前年より7社減った。

 提案計162件のうち、持ち合い株売却など定款変更が108件と最多で、株主への増配など剰余金処分が17件だった。コロナ危機から1年過ぎ、有事に備えてためた分の還元を求める内容だ。「物言う株主」と呼ばれるアクティビストの提案は18社で確認された。

 勢いを増すのはESG(環境・社会・ガバナンス)関連の提案。環境NGOの気候ネットワークなどは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)に対し、温暖化対策の国際枠組み・パリ協定の目標に沿う投融資計画の開示などを定款で定めるよう求める。同社は5月、2050年までに投融資先を含め温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると掲げたばかり。それでも気候ネットは「明確な指標や目標が掲げられるまで安心できない」という。

 昨年はみずほフィナンシャルグループに提案し、34%の賛成票を集めた。気候変動に関する提案は電力会社以外では初めてだった。今年は住友商事なども含め計3社で確認されている。

 資本効率やガバナンスを巡る要求も目立つ。英資産運用会社アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)は「少数株主の利益が損なわれている」として、議決権の半数ほどを握る株主や親会社がいる3社に剰余金の還元などを求めた。ジョー・バウエルンフロイント最高経営責任者(CEO)は「支配的株主がいるために経営で挑戦できず、会社(の価値)が過小評価されている」と話す。

 大和総研の吉川英徳主任コン…

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