女性に性別変えた米国人 妻の続き柄は「縁故者」に?
村上友里
男性から女性に性別変更した米国人が、日本人妻の住民票の続き柄を「妻」から「縁故者」に変えるよう求められたのは婚姻の自由などを保障する憲法に違反するとして、国などに220万円の賠償を求める訴えを、21日に東京地裁に起こした。
原告はエリン・マクレディさん(47)と緑さん(51)。訴状によると、2人は2000年に日本で結婚し、3人の子どもがいる。幼い時から性別に違和感があったエリンさんは18年、故郷の米テキサス州で性別を男性から女性に変更し、日本での在留カードの性別も女性に変わった。
日本では認められない同性婚
一方、東京都の目黒区役所に住民票の性別変更も申請したところ、緑さんの続き柄が「妻」のままでは性別変更はできず、「縁故者」に変えるよう提案された。2人はこれを拒否し、エリンさんは住民票上は男性のままになっている。区役所の対応の背景には日本では同性婚が認められていないことがあるとみられ、2人は人格権や婚姻の自由を侵害されたと訴えている。
提訴後の会見で、エリンさんは「私たちはお互いにサポートしあっている家族。国には家族観を考え直してほしい」、緑さんは「ありのままの自分で生きられる社会を作りたいと思って提訴した」と語った。(村上友里)
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