データ囲い込み招いた「気持ち悪さ」 鈴木・東大院教授

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聞き手・宮地ゆう
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 中国と米国のデータをめぐる覇権争いが広がるなか、各国では個人情報の流出を恐れてデータの囲い込みも起きている。世界の流れはどうなるのか。東京大学公共政策大学院の鈴木一人教授に聞いた。

 すずき・かずと 東京大公共政策大学院教授。安全保障、貿易管理、中東問題、宇宙政策などを幅広く論じる。2013~15年、国連安保理イラン制裁専門家パネル委員も務めた。北海道大大学院教授などを経て現職。

 ――中国の人工知能(AI)に対する、米国などの警戒感が高まっているようです。どう見ていますか。

 「中国のAIがどこまで力を持てるかは疑問だ。AIの質は、データ量だけでなく質にも左右されるからだ。中国には14億人がいて、プライバシーへの配慮もなくデータをかき集められる強みはあるだろう。ただ、これらのデータは主に中国国内で収集されており、人種や文化的な偏りがある。これはAIの能力にも影響する。ただ、一帯一路構想のなかでグローバルにデータ収集をするようになれば、事情は変わってくるかも知れない」

 「専制主義国家は、ビッグデータを集めることとの相性が良い。社会的な被害が出たときの懸念が少なく、社会実装で有利になる面はあるだろう」

 「安保上の懸念は、AIの発展によって軍事を含む意思決定のスピードが上がることだ。情報を収集し、分析して戦略を立てるという能力が格段に上がる。そのことへの懸念はあるかもしれない。ただ、日米欧の高度なAI技術を輸出管理の対象とすることで対処することは可能だと思う」

 ――データという面でみれば、覇権を争う米中の姿は重なるものがあります。

 「政府がともに大規模なデー…

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