さいたま市大宮区のインターネットカフェで女性従業員を人質に男が32時間にわたって立てこもったのは、「防音構造」が売りの個室だった。客には快適だが、事件では防犯上の課題があらわになった。犯罪の抑止と快適さのバランスはとれるのか。(森下友貴、土舘聡一、吉沢英将)
「部屋の出入り口が一つしかなく、防音扉のような重厚な扉で閉められていた。部屋の中の様子が見えず、容疑者が何を持っているのかも分からなかった。被害者の安全を最優先するため、(すぐに突入できず)やりとりを続けた」
埼玉県警の捜査幹部はこう明かす。容疑者の状況を把握し、突入の判断をするまでに長時間を要した。
現場となった個室は、どのような構造だったのか。
運営会社のウェブサイトによ…