アルメニア総選挙、与党勝利 野党は不正主張、追及へ

エレバン=石橋亮介
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 昨年秋、係争地のナゴルノ・カラバフを巡るアゼルバイジャンとの紛争で敗れたアルメニアで20日、総選挙(改選前132議席)が行われた。中央選管が21日発表した暫定結果では、パシニャン首相代行の与党「市民契約党」が53・92%の得票率で勝利。政権の継続が濃厚となった。

 パシニャン氏と対立するコチャリャン元大統領が率いる政党連合「アルメニア」の得票率は21・04%。両陣営とも敗戦の責任を巡って舌戦を繰り広げたが、最大の焦点であるアゼルバイジャンとの和平や経済振興などで目立った違いを打ち出せず、投票率は49・4%と伸び悩んだ。コチャリャン氏は、ロシアのプーチン大統領との親密な関係などを強調して追い上げたが、過去の汚職疑惑のイメージも響いた模様だ。

 パシニャン氏は同日未明に陣営の事務所で勝利宣言。「社会が再び一つになるときが来た」と国民に融和を呼びかけ、「直面する問題を解決するため、経済や文化、科学界の力を集結する」と訴えた。一方、コチャリャン氏の陣営は声明で、選挙結果は、敗戦後に反政権デモが続いた状況と「矛盾する」と主張し、選挙の不正を追及する考えを示した。

 昨年のアゼルバイジャンとの紛争では、双方で計7千人以上が死亡。アルメニアは1990年代から実効支配してきたナゴルノ・カラバフ地域の大半を失った。ロシアの仲介で昨年11月に停戦に合意したが、敗戦を巡る国内の溝は深く、地域情勢が安定に向かうかは不透明な情勢だ。(エレバン=石橋亮介)