バイデン氏との会談「ない」 イラン次期大統領が初会見
テヘラン=飯島健太
18日のイラン大統領選で初当選した保守強硬派のエブラヒム・ライシ司法長官(60)が21日、テヘランで当選後初めて記者会見し、米国との間で間接的に協議が進む核合意の復活を支持する考えを示した。一方で、バイデン米大統領との会談は拒絶した。
イランは最高指導者ハメネイ師が国政の全般を決める絶大な権力を持ち、行政の長である大統領は権限が限られる。ただ、大統領の路線によってイランの対外姿勢は変化してきた。2期目のロハニ大統領は米国との関係改善に動いてきたが、憲法の規定で8月に任期満了を迎える。
ハメネイ師に忠誠を誓うライシ師はこの日の会見で、イランをめぐる核合意の復活に向けて進む交渉を支持すると改めて表明。「米国は即座に核合意に復帰し、合意内容を履行するべきだ」と訴え、制裁解除を迫った。
また、イランによるミサイル開発や中東地域の武装勢力への支援に対し、制限を課したい欧米はイランに議論を求めているが、ライシ師は「交渉の余地はない」と一蹴した。
「制裁の解除後、バイデン大統領に会うつもりはあるか」という質問に対しては、短く一言で「ない」と素っ気なく答え、米国に対する不信感の強い保守強硬派らしい一面を見せた。
ライシ師は6割を超える得票…