五輪に足りない議論は? 野村修也さんがすすめる観戦法

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聞き手 編集委員・辻外記子
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 東京五輪の開幕まで1カ月ほどになりました。これから注意すべきことや、できることは何か。中央大学法科大学院教授で、危機管理に詳しい弁護士でもある野村修也氏に話を聞きました。

開催前提に議論すべきだった

 ――東京五輪が近づいてきました。

 私は半年以上前から、開催を前提にきめ細かに感染リスクの制御方法を議論すべきだという立場をとってきました。

 日本側からオリンピック・パラリンピックをキャンセルするのは、契約上きわめて難しいためです。

 しかし、開催に反対する声が多く、リスクを議論することそのものがタブー視されてしまいました。

 ぎりぎりになって「何も考えていません」というのが一番危ない。まさに今、危険な状況になっている気がしています。

契約への考え、甘い日本人

 ――開催を前提に議論すべきだったと考えたのはなぜですか。

 国際社会では、契約の順守が厳しく求められます。しかも国際オリンピック委員会(IOC)が長年、各国と結んできた契約は、開催国に不利な仕組みになっていて、そう簡単にはやめられません。

 どうしてもやめたいなら、IOCが手にするはずだった放映権料などを開催国が全額負担しなければなりません。戦争がおきるなどよほどのことがない限り逃れられません。

 日本人の契約への考えは、どちらかと言うと甘い。「何とでもなるだろう」みたいな感覚があります。

 しかし、多様な人々と暮らす国々では、契約が社会の安定をさせているため、いったん結んだ契約から逃れようとすると、社会的信用を大きく損なうことになってしまいます。

 だからこそ開催を前提に、どうやって自分たちを守っていくか、真剣に議論をしなければいけなかった。今からでも遅くないので、リスク管理の仕方を議論すべきだと思います。

■終了後の生活も管理を…

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