心臓に持病抱えるマネジャー 家族で折った鶴1500羽

木村浩之
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 6月17日の夕飯後、杉並野球部マネジャーの石原麗結(らむ)さん(3年)は自宅の居間で鶴を折っていた。夏の大会用の千羽鶴。母や妹、弟にも手伝ってもらい、1500羽以上になった。

 石原さんは生まれつき心臓に持病があり、幼いころから体育の授業や運動を制限されている。新型コロナウイルスは基礎疾患がある人が感染すると重症化の恐れがあり、緊急事態宣言下では家庭学習を余儀なくされた。みんなに申し訳ない――。マネジャー仲間の負担を少しでも軽くしようと、家で鶴を折った。19日からは折り鶴に長さ60センチほどの糸を通し始めた。

 小学生のころ。野球好きの父に観戦に連れていってもらい、高校野球が大好きに。「高校ではマネジャーになる」と決めた。

 進路に悩んでいた中学3年の夏。甲子園で応援したい一心から私立強豪への進学が頭をよぎった。でも、ソフトボールをする妹、野球に熱中する弟がいる。「学費、親の負担になるだろうな」。その頃、都立の杉並が日大三と七回まで大接戦を演じたことをニュースで知った。日大三はその後、甲子園で4強まで進んだ。「都立でも甲子園に行ける」。受験勉強に打ち込み、合格を勝ち取った。

 選手には野球中心でいてほしいと、練習試合では重いラインマーカーを自ら準備する。週に一度体重の報告を受けて管理し、「全然増えてないじゃん。もっと食べて」とあえて強く言うことも。自分が激しい運動をできない分、代わりに頑張ってもらっているという意識がある。だから、自分にも選手にも厳しくなる。

 夢舞台をめざす夏が始まる。記録員として、甲子園の土を踏みたい。もっと言うと、「2試合戦ってほしい」。3年生のマネジャーは2人。1年の時から一緒にチームを支えた黒田弥希(みづき)さんとそれぞれ1回ずつ、ベンチに入れるといいな。

 色分けした折り鶴を使ってメッセージをつくる文字鶴の文言は「突破」にした。みんなにはこう伝えたい。「勝ち上がれる力があると信じています」(木村浩之)