ファインバブル、広がる用途 ミクロの泡で汚れ落とす

加茂謙吾
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 「ファインバブル」と呼ばれる微細な泡の技術が浸透しつつある。汚れを落としやすくしたり、植物の成長を促したりするとされ、家庭の風呂場から工場まで幅広く活用されるようになってきた。

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)などによると、ファインバブルは直径100マイクロメートル未満(1マイクロメートルは1千分の1ミリ)の泡を指す。細かい隙間に入り込めるうえ、マイナスに帯電しているため、通常プラスに帯電している油や汚れを引き寄せるという。1マイクロメートル未満とさらに小さい「ウルトラファインバブル」は植物に与える水などに使うと、発芽や成長を促進するとされる。

 NITEの推計では、2019年のファインバブル関連機器の販売額は313億円で、前年より約4割も伸びた。20年以降も1割以上の伸びが続き、25年には707億円に達すると予測する。少ない水や洗剤で汚れが落とせるため、「環境への負荷が少ないことも利点だ」(担当者)という。

 特に人気なのが、頭皮や体の汚れを落としやすくするというシャワーヘッドだ。サイエンス(大阪市)では、4万円以上する製品が発売から3年弱で約65万本売れた。購入者は30代後半~40代の女性が多いという。担当者は「美容に感度の高い人が中心だが、加齢臭や敏感肌の対策で買う人もいる」と話す。お湯につかると泡の力で汚れが落ちやすくなるという浴槽も販売し、介護施設などから引き合いがあるという。同社の21年3月期の売上高は57億円と、5年前の4倍超に膨らんだ。

 工場での部品洗浄など産業の場でも活用が進む。NEXCO西日本は約10年前から高速道路などの休憩施設のトイレを清掃する際にファインバブルを噴霧している。使う洗剤が少ないぶん、水の使用量が従来の1%程度に減り、作業時間も短縮できるという。グループ企業ではファインバブルの発生器を製造しており、温泉施設や植物工場でも利用されているという。加茂謙吾

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 〈メモ〉 サイエンスのシャワーヘッド「ミラブルplus」は、水を噴き出すときに回転させて空気を取り込み、ファインバブルを作る。毛穴などの汚れを洗い流しやすくなるという。希望小売価格は税込み4万4990円。百貨店や家電量販店などで販売している。