慰安婦支援の前理事長除名 韓国与党、不動産取引で嫌疑

ソウル=鈴木拓也
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 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権を支える与党「共に民主党」は22日、元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(正義連)で理事長を務めた尹美香(ユンミヒャン)氏ら党所属の国会議員2人の除名を決めた。不動産の取引や保有をめぐり違法行為の疑いがあるためで、尹氏は今後、無所属議員として活動する。

 同日の議員総会で了承された。韓国では、土地住宅公社職員ら公職者が都市開発計画の発表前に予定地の土地を購入していた疑惑が浮上し、文政権を直撃。4月のソウルと釜山の市長選では与党が惨敗した。与党議員にも不正疑惑が浮上したことで、さらに逆風が強まるのは必至だ。党執行部は、来年3月の大統領選に向けて影響を最小限に抑えるため、尹氏らの除名は避けられないと判断した。

 不正疑惑をめぐっては、韓国政府の国民権益委員会が3月末から、共に民主党所属の議員174人とその家族ら計816人を対象に調査。過去7年間の不動産取引を調べた結果、尹氏ら議員12人に違法行為の疑いがあることが判明した。12人には今月8日に離党勧告が出ていた。

 尹氏は親族名義により不動産の所有を意図的に隠した疑いをもたれており、警察を主体とした政府合同特別捜査本部が捜査を進める。党は、嫌疑が晴れた場合は復党させる方針だ。尹氏は除名処分について「謙虚に受け入れ、疑惑については誠実に説明する」とのコメントを発表。議員辞職は否定した。

 尹氏はこれとは別に、正義連への寄付金や補助金を不正に使った補助金管理法違反や詐欺などの疑いで、昨年9月に在宅起訴された。尹氏は全面否認している。(ソウル=鈴木拓也)