名字が違っても「ふつうの家族」 夫婦別姓を訴えるわけ

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阿部峻介
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 夫婦別姓を認めない民法や戸籍法は憲法に反するとして、法的な婚姻をしない事実婚の夫妻3組が婚姻届を受理するよう求めた3件の家事審判で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)が23日に決定を出して判断を示す。「政治がだめなら、司法が動いて」。そう訴える夫妻が別姓を選んだ経緯をたどった。

憲法違反と訴え、裁判に…40代夫妻の生き方

 申立人は東京都内に住む3組の夫妻。2018年にそれぞれ国分寺市八王子市世田谷区に婚姻届を出す際、婚姻後の名字を夫妻のどちらにするか答える項目で「夫」「妻」の双方の欄に印をつけ、不受理とされた。夫婦同姓を求める民法750条とその手続きを定める戸籍法74条について、「法のもとの平等や婚姻の自由を定めた憲法に反する」と訴えている。

 「女性にばかり夫婦同姓を強いる現実があり、受け入れたくないカップルは結婚できない。これは差別だと、次こそ認めてほしい」。国分寺市の40代の夫妻は、取材にこう語った。

 二人は小学校の同級生。大学卒業後に交際を始め、01年に人前式をした。婚姻届は出さなかった。妻は「看護師の仕事でも友人との間でもフルネームが自分の名前。結婚しても変えたくないと、夫と相談していた」。夫も「無理に変えさせたくなかった」という。

 「事実婚を選ぶ」と報告を受けた夫の両親は、最初は驚いた様子だった。「この家に入るようなのが嫌ということじゃなくて、自分の名前でいたいだけなんです」。妻の訴えを夫も後押しし、納得してもらった。九州出身の両親は「東京は違う」「新しい世代だなあ」とあきらめ顔だった。

 02年に長男が生まれた時は、一時的に夫の名字で婚姻届を出し、長男は夫の名字になった。妻が「自分はへその緒で子どもとつながっている。夫には名字のつながりを持ってほしい」と考えた。出産後には離婚届を出した。06年に双子の男児が生まれた時もそうした。

年齢重ねるにつれ、心配募る

 事実婚に戻り、自分だけ名字…

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