スエズ、モーリシャス…貨物船の目立つ事故が相次ぐ理由

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友田雄大
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 貨物船の目立つ事故が相次いでいる。この1年でも、インド洋モーリシャス沖やエジプト東部スエズ運河での座礁のほか、大量の積み荷が海に落ちたり、船が燃えたり。今月は、船が巨大クレーンをなぎ倒す事故もあった。世界の海で一体何が起こっているのか。

 港の端に立つ巨大クレーンに近づくコンテナ船。次の瞬間、船と接触したクレーンが砂ぼこりを上げて崩れおち、人が逃げまわる――。動画サイトやSNSにアップされた映画さながらのシーンは、今月3日に台湾で起きた、クレーン2基が倒れた事故の映像だ。

 「事故への社会の反応は大変強くなっている」。18日に開いた環境関連の会見で、商船三井の橋本剛社長は話した。自社の運航船も昨夏、モーリシャス沖で座礁。世界を騒がせた。コロナ禍による各国の経済刺激策もあり、世界の荷動きは空前の活況だ。「現場は大変だが、事故を起こさないように注意深く進めたい」

 昨年11月にはハワイ沖で、日系3大海運のコンテナ船事業が統合してできた会社の船から、約1800個のコンテナが海に落ちた。世界最大手のAPモラー・マースクも、今年1月に約750個、翌月さらに約250個を落とした。

 ちょうどコロナの影響で、世界で配達の遅れが深刻化した時期。物流業界で「こんな時期に、大量に落とすとは……」と話題になった。5月には、スリランカ沖でコンテナ船の火災が起き、積み荷や燃料の流出による環境汚染が懸念されている。

 「事故の数は大きく増えていないが、目立つ規模が多い。1件あたりの損害額が膨らんでいる」。海難事故の保険をあつかう「船主責任相互保険組合」の関係者は、具体的な数字は控えながらもそう証言する。

 要因のひとつに挙げるのが船の巨大化。船は大きいほど燃料代などが割安で効率が良い。近年は港の整備も進んだことで大きな船が増えているが、その分事故を起こすと積み荷や油の流出被害も目立ち、事故処理にも時間がかかる。事故の映像もインパクトが大きくなる。

 商船三井の橋本社長は、世界…

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