脱炭素社会の実現に老朽原発の再稼働は必要?専門家は

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 関西電力が、運転開始から40年を超えた美浜原発3号機(福井県美浜町)の再稼働に踏み切った。政府が温室効果ガスの削減を掲げるなか、原発の稼働が二酸化炭素(CO2)の排出を減らすのに役立つとする。ただ、国の固定価格買い取り制度などで、太陽光や風力といった再生可能エネルギーも少しずつ広がっている。脱炭素社会の実現に向けて原発の稼働は不可欠なのか。専門家に聞いた。(聞き手・加茂謙吾)

■「今後の主力電源は再エネ」 京都大大学院特任教授・安田陽氏

写真・図版
京都大学大学院の安田陽特任教授=2021年6月11日、オンライン会議システムの映像から

 ――国や原発を持つ電力会社は脱炭素社会の実現に原発の長期運転が役立つと言います。

 「国際エネルギー機関(IEA)が5月に示した脱炭素化のロードマップでは、2050年の再生可能エネルギーの発電比率が9割なのに対し、原発は1割程度。なくてはならない電源とは言えない。選択肢の一つとして残すかどうかは議論の余地があるが、これからの主力電源になるのは再生可能エネルギーだ。日本では原発の議論が優先され、再エネの理解が進んでいない現状に危機感を覚える」

 ――政府は今夏のエネルギー基本計画の改定で、2030年度の電源構成の計画について再エネの割合を30%台後半、原発を2割程度とする方向です。

 「IEAの報告書では、30年には世界平均で電源の60%を再エネが占めると見通している。その中で30%台という目標では、国内外の投資家から見捨てられかねない」

 「米国のアップルやグーグルなどのグローバル企業を筆頭に、生産に使う全ての電気を再エネにした部品しか仕入れないという動きも広まっている。産業界への影響は大きく、『日本産だから買えない』と言われるようになる可能性もある」

 ――再エネ普及に政策面で何…

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