月山登山より安全に 位置通報の機器貸し出し、警察対応

坂田達郎
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 出羽三山の主峰・月山(1984メートル)が山開きを迎える7月1日から、遭難者の素早い救助につなげようと小型発信機の貸し出し事業が始まる。これに対応し、月山のほか、葉山や朝日連峰など登山者に人気の山を管内にもつ山形県警寒河江署は、捜索に機器を使おうと準備を始めた。

 月山周辺の鶴岡市、庄内町、西川町、大蔵村、戸沢村でつくる「月山フォーラム」が発信機300台を貸し出す。月山は日帰りで登る人も多い山だが、遭難事故は毎年のように発生。昨年は6件あり、2人が行方不明になっている。

 発信機は、月山リゾートイン(西川町)▽月山レストハウス(鶴岡市)▽湯殿山参籠(さんろう)所(同)▽肘折いでゆ館(大蔵村)で1100円で貸し出し、登山計画書の提出を求める。受信機をこの4カ所と山頂の小屋に設置し、捜索隊が使う。

 寒河江署は月山フォーラムの貸し出し事業を知り、発信機を取り扱う「オーセンティック ジャパン」(福岡市)に協力を要請、快諾を得た。受信機2台、発信機8台の署への無償貸与が決まり、発見に向けた情報のやり取りもしていく。今月21日、同署で協定書の締結式があった。

 岡崎浩隆署長は「携帯電話の位置情報をもとに捜すより精度はかなり上がる。多くの登山者に持ってもらい、早く発見できるようにしたい」と期待。「捜索隊も滑落したり、道に迷ったりする危険があり、2次遭難の防止にもつながる」と説明する。

 「ココヘリ」と呼ばれる会員制サービスに使われる機器で、発信機の電波を受信機がとらえる。会員約3万3千人が登録し、ヘリコプターやドローンによる捜索で成果を上げているという。同社の八木沢美好(みよし)専務は「全国の警察、消防の航空隊などに使用が広がり、山形県でも導入されている。警察署と協定を結ぶ形は初めて。地上からの捜索に役立ててほしい」と話している。(坂田達郎)