記述式と英語民間試験の導入断念へ 大学入試で文科省

桑原紀彦
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 2025年以降の大学入学共通テストをめぐり、文部科学省が、国語・数学での記述式問題導入と英語民間試験の活用を断念する見通しとなった。今夏にも正式決定する。かつての入試改革の二大看板は、導入見送りがほぼ確実となった。

 大学入試のあり方を議論する文科省の有識者会議が22日に開かれ、記述式と英語民間試験などの扱いについて同省に提言する内容の案が示された。

 仮に記述式を導入すれば、大量の答案を短期間に公正に採点する必要が生じる。提言案は、採点者の確保やミスのない採点、受験生による自己採点が難しいと指摘。国公立大の個別試験でより高度な記述式問題が出され、私立大でも記述式設問の増加を図ることが「期待される」とし、国に出題を促す方策を検討するよう求めた。英語民間試験については、生徒の経済状況や居住地の違いで受検回数に差がつく懸念がある、などとした。そのうえで「課題克服は容易ではない。(記述式導入も英語民間試験活用も)実現は困難と言わざるを得ない」とした。大きな異論は出ず、有識者会議は提言案のまとめに入る。

 記述式導入と英語民間試験の活用は今年から始まった共通テストで採り入れられる予定だった。自分の考えを論理的にまとめる力や、英語の「読む・聞く・書く・話す」の4技能を評価するためだ。しかし、「公平な採点が難しいのではないか」「地域格差経済格差などの課題が解決されていない」などの反対論が相次ぎ、文科省は19年に見送りを決定。同年末に有識者会議を設置し、共通テストを含めた入試のあり方について議論してきた。(桑原紀彦)