第5回中国の「愛国=愛党」 共産党の物語に潜むリスク

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井上亮
写真・図版
中国共産党100年「強国」の現在地⑤ デザイン・川添寿
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 6月下旬、デパートや飲食店などが立ち並ぶ上海中心部の商業地区。地下鉄駅に近く買い物客が行き交う通りに1軒だけ、看板も取り外され、内部ががらんとした空き店舗があった。

 空き店舗に入っていたのは、中国各地に展開して人気があったスウェーデンの衣料品大手H&Mの旗艦店だ。中国メディアによると、5月中旬に閉店した。

 「断固、国を愛する」

 「H&Mは中国市場から出て行け」

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中国上海市内にあるH&Mの店舗から出てくる買い物客ら=2021年3月、西山明宏撮影

 閉店から約2カ月前の3月下旬、新疆ウイグル自治区で生産される「新疆綿」を使わないと表明していたH&Mが、中国のSNSで集中砲火を浴びた。欧米諸国が新疆の綿花生産で強制労働が行われていると指摘し、対立が深まるなか、不買運動は中国各地に拡大し、今も大手通販サイトでH&Mの商品が検索できなくなっている。

中国共産党の結党から100年。連載「『強国』の現在地」は、世界の盟主の座を見すえ、米国との覇権争いに挑む共産党の力の源泉や、待ち受ける課題を探ります。連載の第5回は中国政府が訴える「愛国」に迫ります。

 インターネット上の批判的な…

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