空き家で修繕方法など学ぶ 宇都宮の官民連携組織が開校

中村尚徳
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 【栃木】長い間、住み手がいなかった空き家を生かす知識や修繕技術などを学ぶ「空き家の学校」が、宇都宮市で開校する。官民連携組織による初めての試みだ。増え続ける空き家を有効に活用できる人材を育て、いろんな使い方があることを家主に提案する狙いがある。26日から授業が始まる。

 「学び」の場に使われるのは同市宮原1丁目に立つ築約50年の木造平屋建て。10年ほど前から空き家になっているが、県外に住む家主は家族との思い出などから手放せずにいたという。

 市によると、市内の空き家は昨年度5587戸。3年前より756戸増えた。このうち雑草が伸び放題になっているなど管理が行き届いていない家は848戸、壁が落ちるなど危険な状態の家は79戸に上った。

 増え続ける空き家について、市生活安心課は「高齢化が大きな要因」と説明する。年々増える一人暮らしのお年寄りもすでに2万人を超えたとみられる。「近い将来、空き家になりかねない家がかなりある」と心配する。

 実際、管理や売却、賃貸など県外に住む家主からの相談は行政だけでは対応しきれない。そのため、市は2017年4月、金融機関や不動産、建築、造園といった業界団体などと「宇都宮空き家会議」を立ち上げた。今回の「空き家の学校」も同会議が取り組む初の試みだ。

 受講者は町づくりに興味がある若者ら6人。26日の座学では、会場の空き家の状態をつかみ、自分の手で修繕できるか、専門家に依頼するかを見極める診断方法の指南を受ける。空き家を活用する際に注意すべき周辺地域との関わり方なども教わる。

 7月からは修繕方法について実践から学び、庭も地域の人たちが集える場所に変える。11月には、若者たちが地域住民と交流する行事「一日だけの駄菓子屋」を開く。

 市の担当者は「手放すのは忍びない、地域で役立ててほしい、という家主さんも少なくない。一方で空き家を利用したいという人もいる。今回の試みが両者をつなげるきっかけになり、空き家を地域で生かしていければ」と話している。(中村尚徳)