公明、都議選に危機感 コロナ禍、得意の人海戦術に限界

東京都議選2021

太田成美
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 25日告示の東京都議選で、次期衆院選の前哨戦と位置づける公明党が危機感を募らせている。コロナ禍で、全国から応援を集めて支持者を掘り起こす得意の「人海戦術」が取りづらいためだ。1993年以降、都議選では全員当選を貫いてきただけに、体制の立て直しに躍起だ。

 「密にならないように配慮しながら、ご静聴いただきたい」。緊急事態宣言最終日の20日、JR目黒駅前で演説した山口那津男代表は、約200人の聴衆に呼びかけた。この日の街頭演説は党都本部のLINEでの告知のみ。党幹部は「批判されるから結集はかけていない。普段なら駅前を埋め尽くす」と解説する。

 公明にとって都議選は歴史的にも重視する選挙だ。1963年の都議選で、前身の公明政治連盟が都議会第3党に躍進したことも背景に、翌64年に結党した経緯があるためだ。93年以降、過去7回の都議選で全員当選しており、今回も現有議席と同数の23人を立てる。

 通例では、5月の大型連休には全国から支持母体の創価学会員が東京に入り、知人を回って支持を広げていく。だが、今回は緊急事態宣言下で大型連休中の大量動員は見送られた。

 前回の都議選では、躍進した都民ファーストの会と選挙協力した。今回は再び自民党と協力するが、立憲民主党共産党が候補者調整を進めた影響もあり、公明の情勢調査などで苦戦が伝わった。ある幹部は「7人落選する可能性もある」と危機感を募らせる。

 こうしたなか、公明は5月28日、全国の都道府県本部をつないだオンラインの選挙対策会議で一部方針を転換。「政治家の活動は不要不急ではない」として、全国の地方議員には上京して活動するよう「お達し」が出た。全ての国会議員にも担当の選挙区が割り振られ、密になることを避けつつ、都内の企業や個人を回っている。

 山口代表は今月22日の記者会見で、「有権者にどうやって候補者の人柄や実績、政策について伝えるか、様々な工夫、努力をしながら対応していきたい」と語った。(太田成美)