五輪・パラ事前合宿、中止相次ぐ 「選手にストレスが」

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平田瑛美、篠原大輔
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 今夏の東京五輪パラリンピックに向けた海外選手団の国内事前合宿で、奈良県は22日、天理市大和郡山市橿原市で四つの海外選手団の受け入れを中止すると発表した。奈良市にはオーストラリア女子サッカーチームが訪れる予定。橿原市でのウクライナ陸上競技チームは協議中という。(平田瑛美、篠原大輔)

 中止が決まったのはエジプトの柔道(天理市)、香港の競泳(大和郡山市)、シンガポールのパラ水泳(同)、カザフスタンのパラ選手団(競技未定、橿原市)。いずれも県と市、選手団が協議して決めた。

 国はガイドラインで、受け入れの条件を示している。選手らは毎日PCR検査を受け、外出は宿泊地と練習場の行き来にとどめなければならない。県スポーツ振興課の担当者は「選手たちの生活に多くの制限がかかるのはストレスも感じられ、中止の判断に大きく影響したと思う」と話す。

 滞在中の練習環境にもコロナ禍の影響が懸念された。天理市で受け入れ予定だったエジプト柔道チームにとってのメリットは、強豪の天理大柔道部の学生たちとの稽古だった。しかし、国のガイドラインで柔道は「高リスク競技」に該当する。学生たちがエジプト柔道チームと接触するには、2週間の合宿と前後2週間を含めて計6週間の隔離生活を送らなくてはならなくなったという。

 外務省時代に在エジプト日本大使館で勤務した並河健市長は「天理大柔道部とともに稽古で汗を流すのは困難となりました。キャンプの意義は失われざるを得ないと判断し、真の友人としてエジプト柔道チームの活躍を願えばこそ、事前キャンプの受け入れを辞退する旨をエジプト柔道連盟にお伝えしました」とのコメントを出した。

 カザフスタンの選手団を受け入れる予定だった橿原市は、これまで積極的な交流事業を進めてきた。パラ選手と市民がともにプレーするイベントを開き、学校給食カザフスタン料理を取り入れた。

 市の担当者は「2017年ごろからたくさんの事業をやってきたので残念。ただ、選手団を受け入れると市民の方も不安になられると思う。非常に複雑な気持ちです」と打ち明けた。

 香港とシンガポールの選手団が訪れる予定だった大和郡山市の担当者は「コロナ禍の前に想定していた状況と変わってしまい、今はリスクがたくさんある。感染状況によっては医療体制も満足できる環境かどうかわからない」と声を落とした。引き続き、受け入れ予定だったチームを応援できるようPRしたいという。

 奈良市では7月8日から、オーストラリア女子サッカーチームが事前合宿をする予定だ。ワクチン接種を済ませた選手やスタッフら計35~40人が7月17日まで県内の宿泊施設に滞在し、市内のロートフィールド奈良(鴻ノ池陸上競技場)で練習するという。

 選手らが宿泊施設から外出することは禁止され、練習場までは公共交通機関を使わずにチャーターバスなどで移動する。選手らが市民らと対面する機会は、スタンドなど決められた場所からの練習見学会に限られる見込みという。

 市は、これまでも新型コロナ

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