25日告示の東京都議選で、小池百合子知事がどう動くのか、態度を明らかにしていない。自ら創設した「都民ファーストの会」が自民党を歴史的敗北に追い込んだ4年前と状況は一変。東京五輪・パラリンピック開催や、新型コロナウイルスへの対応と政権与党と連携が不可欠な事情を抱える。次の衆院選で小池氏が国政復帰を目指すのではとの見方も根強くある。
「都民のための都政を大きく進化させる上で、御会派は大きな役割を果たしてこられた」
告示前最後の都議会代表質問があった6月2日。小池氏は過去の答弁でほぼ使わなかった「御会派」との言葉を17回使い、都民ファの功績をたたえた。
小池氏周辺によると、都民ファの執行部は代表質問に向けて、「都民ファの力で動いた政策をアピールしてほしい」と小池氏に要望。答弁を聞いた都議の一人は「都民ファに対する小池氏の思い入れを感じられた」と胸をなで下ろした。
小池氏も都議会閉会日の7日、記者団に「私は都民ファの生みの親」と自ら切り出し、距離の近さをアピールしてみせた。表向きは支援を明言しないものの、都民ファの公認候補に「必勝」と書かれた為書(ためが)きを送付。事務所開きには応援動画を送り、都議が開く地元の集会にもオンラインなどで精力的に出席する。
小池氏は4年前、都議選が告示される前から街頭演説をこなし、都民ファへの支持を訴えていた。だが今回は演説を行うかどうかも不透明で、ある都議は「小池氏が本当に来てくれるかは疑問だ」と話す。
二階氏との蜜月演出、臆測じわり
懸念材料の一つは小池氏と自…