「8歩」が「7歩」に 男子ハードルが世界に近づく一歩

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堀川貴弘
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 かつて「世界から一番遠い」と言われていた陸上男子110メートル障害で、日本のレベルが急速に世界に近づいている。世界の技術が「ほぼ完成形を迎えている」一方、日本では長年の努力が実を結びつつある。東京オリンピック(五輪)の代表の座を争う日本選手権(24~27日、大阪・ヤンマースタジアム長居)でも好記録が期待されている。

アジア歴代2位の日本記録

 4月の織田記念で、金井大旺(たいおう)(ミズノ)が驚異的な日本新記録を出した。

 「13秒16」

 2016年リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得した選手のタイムを上回る。04年アテネ五輪で金メダルを獲得した劉翔(中国)の12秒88(当時は世界記録)に次ぐ、アジア歴代2位だった。

 金井を大学時代から指導する、元400メートル障害日本記録保持者の苅部俊二・法大監督も「13秒1台は本当にびっくり。かつて110メートル障害は世界から一番遠い種目と言われていたから、日本選手でもあそこまで行けるんだ、というのが正直な感想です」と語る。

 好記録を出しているのは金井だけでない。今季は、順大4年の泉谷駿介が5月の関東学生対校選手権の予選で13秒30をマークし、東京五輪に出場するのに必要な参加標準記録(13秒32)を突破した。高山峻野ゼンリン)も19年、当時の日本記録となる13秒25を出し、標準記録を突破した日本勢が3人に上る。

 標準記録は破っていないものの、村竹ラシッド(順大1年、今季ベスト13秒35)と石川周平(富士通、同13秒42)も近いところまで来ている。2人がそれぞれ獲得しているポイントは、五輪に出場できる世界ランキングの上位40人以内(各国・地域3人まで)に相当する。

 なぜ、数多くの選手が好記録を連発しているのか。

 関係者がその背景に挙げるのは、①スプリント力の向上、②1台目のハードルまでの歩数減、③強化戦略の転換、④道具の進化、の4点だ。

スプリント

 苅部監督が最初に挙げるのが…

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