40年超原発再稼働、識者3人はどう見る 課題や懸念も

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聞き手・藤波優、川村剛志
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 運転開始から40年超が経過した原発を動かすことをどうみるか。課題はあるのか。3人の専門家に聞いた。

「強靱(きょうじん)さは新しい炉の方が高い」「謙虚に安全性向上を」 東京大教授・笠原直人さん

 単に経年による劣化というよりは、実際に運転中に生じた負荷に気をつけることが重要だ。例えば、起動・停止に伴って加熱と冷却が繰り返され、材料に疲労損傷が起こる可能性がある。日本原子力学会の「原子力発電所の高経年化対策実施基準」では、アメリカやフランスなど世界各国の経験をもとに、どういう原因でどんな壊れ方があるか、集めて分析している。こうした世界中の経験が検査に生かされており、補修や部品交換のタイミングなどは科学的に判断できる。

 ただ、どんなに対策してもリスク0にはならない。これまでに壊れ方のデータは相当数が集まっているが、まだわかっていない壊れ方はないか、知らないところに負荷がかかっていないか、破損した場合、検査で兆候を見つけなければいけない。

 美浜3号機は多くの部品を交換し、耐震補強工事もした。非常用発電機や消防車の設置など、緊急対応設備も準備され、安全性は上がっている。とはいえ、やはり新しい炉の方が「レジリエンス」(困難からの回復力、強靱さ)が高いと言える。例えば、フランスが開発した欧州加圧水型炉「EPR」などでは、炉心溶融が起きた場合に、核燃料原子炉容器から流出しないよう、閉じ込めて冷却する「コアキャッチャー」という設備がある。事故が起こりにくい設計だけでなく、事故が起きてもしばらく耐える粘り強さも備わり、対応に時間的な余裕が生まれる。

 検査制度も新しくなり、事業…

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