夫婦同姓の規定は「合憲」 最高裁大法廷、6年前と同様

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阿部峻介 編集委員・秋山訓子
【動画】最高裁の合憲判断を受け、報道陣の取材に応じる弁護士と申立人=関田航撮影
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 夫婦別々の姓(名字)での婚姻は認められない――。最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は23日の家事審判の決定で、夫婦同姓を定めた民法などの規定は憲法24条の「婚姻の自由」に違反しないと判断した。2015年に初めて「合憲」とした大法廷判決を踏襲して、「この種の制度のあり方は国会で判断されるべきだ」と指摘した。

 裁判官15人のうち11人の合憲判断。「違憲」としたのは4人で、15年判決の5人から減った。法相の諮問機関「法制審議会」は1996年に選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案を答申したが、自民党を中心に「家族の一体感が失われる」との反論が上がり、法改正は見送られている。

 家事審判を申し立てたのは、18年に別々の姓で婚姻届を役所に出して不受理とされた東京都内の3組の事実婚カップル。夫婦同姓を求める規定は「法の下(もと)の平等」を保障する憲法14条と「婚姻の自由」を定めた24条に反すると訴えた。

 大法廷は今回の決定で、民法750条と婚姻届の手続きを定めた戸籍法74条は、15年判決の趣旨に照らして合憲であるのは明らかだと指摘した。前回判決から女性の就業率や選択的夫婦別姓制度の導入に賛成する人が増えたという事情をふまえても、「(15年の)判断を変えるべきとは認められない」とした。

 また、夫婦の姓についてどのような制度をとるべきかという立法政策と現行法が憲法に適合するかという問題は「次元を異にする」としたうえで、「この種の制度の在り方は国会で論ぜられ、判断されるべき事柄」と結論づけた。申立人は憲法14条に反する「信条による差別」も訴えたが、実質判断はしなかった。

 一方、違憲とした4人のうち、弁護士出身の宮崎裕子裁判官と学者出身の宇賀克也裁判官は「婚姻は国家が提供するサービスではなく、両当事者の終生的共同生活を目的とする人間の営み」と言及。同じ姓の婚姻届を出させて初めて法律婚を認める現在の仕組みは「婚姻を希望する者に夫婦同氏(姓)を強制している」と指摘し、憲法24条に反しているとした。

 一、二審は、夫婦同姓には「家族の一員と対外的に知らせる」「家族と実感できる」という合理性があるとした15年判決を引用。「民法の規定は夫婦になろうとする人に一律の扱いを定めたもので、信条にもとづく差別はしていない」として訴えを退けていた。(阿部峻介)

ボールは再び政治に

 夫婦別姓をめぐる2度目の憲法判断で、ボールは再び政治にかえされた。6年前の最高裁判決は、「国会で論じ、判断されるべき事柄」と国会に「宿題」を出したが、市民団体や経済界が選択的夫婦別姓の実現に向け動いていたにもかかわらず、政治の怠慢で空白が続いた。

 特に政権与党の自民党の責任が大きい。安倍晋三前首相が夫婦別姓に反対していたから、忖度(そんたく)して鳴りを潜めていた。安倍氏の退陣で初めて議論が動き出し、別姓賛成派による議員連盟も出来た。

 賛成派には今回の決定で違憲…

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