歴史遺産を災害から守る、日韓協同を 国際シンポジウム

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編集委員・中村俊介
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 立命館大学歴史都市防災研究所と日本イコモスはこのほど、オンラインで「日韓文化遺産防災国際シンポジウム」を開催した。木造建築中心の文化を持つ両国だけに、共通する課題も多い。東日本大震災から10年。文化遺産を守る取り組みは国境を超えて広がりつつある。

 「ドローンによる空からのパトロールなどでリスクを察知することが大事だ」

 「台風被害では、暴風域と文化財被害の分布が一致している」

 「韓国で異分野間の連携はどうなっているか?」

 日韓双方の大学や行政担当者から、そんな最新の報告が相次ぐ。テーマは文化遺産を火災や風水害からいかに守るか。コロナ禍でオンライン開催となったが、空間的な制約を超えて活発な議論が繰り広げられた。

 歴史的に付き合いの深い隣国同士。自然環境も似ており、ともに「木の文化」を発達させてきた。だが、両国の古い寺院や宮殿など歴史的な木造建築は共通する脅威に直面しており、防災への取り組みは待ったなしだ。

 日本では10年前の東日本大震災や5年前の熊本地震など自然災害が相次ぎ、いくつもの建造物が被災した。

 韓国では2005年、江原道の名刹(めいさつ)、洛山寺が山火事に巻き込まれた。08年にはソウルの南大門(ナムデムン)(崇礼門)が放火で焼失。韓国国立文化財研究所安全防災研究室で研究を続けてきた趙相淳さんによると、南大門では歴史的建物の構造に対する消防隊の理解不足に加えてロータリー状の立地が消防車を阻み、消火活動のための進入路が限られてしまったという。

 南大門火災をきっかけに法律…

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