注射、痛くなくてもいいのでは? 局所麻酔の活用広がる

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竹野内崇宏
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 注射や採血で感じる痛みを、局所麻酔で和らげる取り組みが広がっている。痛みへの恐怖による失神や転倒のほか、病院や注射嫌いにつながる恐れもあり、海外では長年使われてきたクリームやパッチ式の麻酔が国内でも小児医療や透析の現場で使われ始めた。新型コロナウイルスのワクチン接種でも利用が検討されている。

 「子どもが痛がる姿を見ずに済むのでありがたい」

 福岡市東区に住む女性(41)はそう話す。4歳の次男は0歳児の頃、先天性疾患で福岡市立こども病院(同区)に入院。血液検査の前に勧められたのがクリーム式の局所麻酔だった。

 クリームを直径数センチ大に塗り広げ、1時間待つ。拭き取った箇所に針を刺せば痛みが弱まる仕組みだ。

 次男は多い時期はほぼ連日採血を受けた。現在も半年に1回採血があるが、針を怖がらず、女性のひざの上でおとなしく受ける。

 一方、長男(7)が受診する別の診療所では局所麻酔の処方がない。泣き叫ぶ長男の手足を押さえて注射を受けさせるという。「注射の日は朝から晩までぐずっている。痛みやショックが心に残っているのかも」

 国内では注射や採血時の痛みをとるクリーム剤とパッチ剤の局所麻酔薬がある。

 福岡市立こども病院では2016年から使い始めた。古野憲司・総合診療科長は、「とれる痛みはとってあげたいという思いがきっかけだった」と話す。

 古野医師によると、注射時の痛みや、痛みに対する恐怖は、めまいやふらつき、失神などの「血管迷走神経反射」と呼ばれる反応につながる恐れがある。

 カナダでの研究では注射の針に対して親の24%、子どもの63%が怖いと感じ、恐怖が予防接種を受けない選択に結び付く傾向も指摘されているという。

パッチやクリームで「痛くない!」 壁は「我慢の常識」

 こども病院では、注射や採血の前に絵本や人形で説明するなど、子どもの不安を和らげる取り組みを進めており、局所麻酔もその一環だ。

 麻酔が効くまで1時間待たね…

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