第1回五輪まで1カ月、迫られる決断 首相の脳裏によぎる二人

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石井潤一郎、小野太郎
写真・図版
五輪は誰のため① デザイン・加藤啓太郎
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 東京五輪の観客のあり方を決める政府などの「5者協議」を翌日に控えた20日、菅義偉首相は周辺に言い放った。「分かってるよ。宣言になったら、やめればいいんだろ」

 5者協議では、五輪の観客を「上限1万人」とすることで合意予定だった。ただ、それも東京などが新型コロナ対応の緊急事態宣言から脱し、感染状況が落ち着いていることが前提だった。宣言下なら観客は入れられない――。五輪を開くことができる最低限の条件を確認する周辺の言葉に、首相はいら立ちを隠さなかった。

 新型コロナの災厄下にある東京で、首相が掲げる「安心・安全な五輪」が本当に実現できるのか。開会まで1カ月を切る中、政権与党でもいまだ疑念は晴れていない。東京などの緊急事態宣言が延長された5月半ば以降は、首相に中止を求める直言も相次いだ。

東京五輪パラリンピックの開幕まで1カ月を切りました。世界が新型コロナ禍にさらされる中の五輪は、何を問いかけているのか。6回の連載でお伝えします。

 「この状況を考えれば、中止…

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