「あと1世紀は無理」 夫婦別姓、25年前に自民党の壁

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伊藤和也、後藤遼太
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 婚姻時に夫婦の姓(名字)を同じにするよう求める民法などの規定を、最高裁大法廷が再び「合憲」と判断した。別々の姓での婚姻を否定した結果となったが、夫婦が別姓を選ぶことができる制度の法改正案は、すでに1996年にまとまっている。にもかかわらず、国会への提出さえできていないのは自民党内の反対意見に阻まれたからだ。

 改正案は、法相の諮問機関・法制審議会の同年の答申をもとにまとめられた。結婚時に夫婦が同姓にするか別姓にするかを選べる「選択的夫婦別姓制度」を導入し、別姓を選んだ場合は子の姓をどちらかに統一するとの内容だ。既婚の夫婦については、法施行後1年以内であれば合意に基づき別姓に戻すことを認め、その場合の子の姓は同姓時のものとするとしていた。

 ただ、改正案の国会提出は、自民党内の反対意見を受けて断念された。当時、法務省の参事官として法制審の幹事を務めた小池信行弁護士は「予想もしない壁の厚さだった」と振り返る。

 法制審内部では、制度の導入に積極的な意見が「圧倒的だった」。小池さんは楽観していたが、与党議員らへの説明を始めると風向きが一変したという。「自民党の法務部会や神道政治連盟の勉強会、色々と呼び出された。ほとんどが反対意見だった」

 小池さんによると、導入に慎重な議員らは「夫婦別姓で家族の絆が弱まる」「通称として旧姓を認めれば足りるではないか」といった意見が多かった。「夫婦同姓が日本古来の伝統だ、という雰囲気が強かった。『日本社会の背骨、この国の形だ。憲法は変えられても、夫婦同姓は変えられない』という声さえあった」

 結局、答申から25年が経った今も、改正に向けた議論は進まないままだ。国会提出を断念した当時、「すぐに捲土重来(けんどちょうらい)を期すのか?」と記者に問われた小池さんは「あと1世紀は無理なんじゃないか」とこぼしたという。

 答申には至らなかったものの…

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