東京23区の地下構造を3Dで 産総研が地盤図を公開
山野拓郎
東京23区の地下深くの地質構造を立体的に表した3次元地質地盤図を、産業技術総合研究所(産総研)の研究チームが公開した。地震の揺れが大きくなりやすい軟らかい泥の場所が詳しく示されたほか、地盤が固いと思われていた西側の地域にも泥の領域が広がっていることが分かった。研究者は、自分の住む場所の地下構造を確かめ、防災意識を高めてほしいとしている。
氷期だった約2万年前、海面は現在より100メートル以上低かったとされる。現在の葛飾区や江戸川区、江東区といった23区の東側の地域は、川の流れで削られて深い谷ができた。その後、1万年前ごろから地球は温暖になって海面が上昇。こうした谷には上流から軟らかい泥が流れ込んだ。
谷を軟らかい泥が埋めた地層は「埋没谷」と呼ばれ、地震の揺れが大きくなりやすい。2011年の東日本大震災では、湾岸地域を中心に地盤が液状化し、上下水道や建物が被害を受ける例が相次いだ。
産総研のチームは、都内の土…