首都圏に地下40メートル以深のトンネル 住民に不安も

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阿久沢悦子
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現場へ! リニア工事の周りで①

 東京と名古屋を40分で結ぶJR東海リニア中央新幹線。2027年の開業を目指し、今年度中に東京・北品川から西へ地下トンネル本体の掘進工事が始まる予定だ。この春まで静岡総局員として、大井川の減水を理由に着工を拒む静岡県とJRの攻防を取材してきた。沿線の他の地域では何が起きているのか、改めて訪ねた。

 東京都大田区。東急洗足(せんぞく)池駅にほど近い住宅地の真ん中に、直径40メートルの巨大な穴が開いている。警視庁官舎の跡地に建設した東雪谷(ゆきがや)非常口だ。工事開始は4年前。円周にコンクリートを打ち、今後深さ90メートルまで掘るという。

 リニアは、品川から川崎市を経由し東京都町田市までの33キロにわたり、地表から40メートル以深のトンネルを通る。国の認可を受け、地権者の同意や用地買収なしに地下深くを利用できる大深度地下使用法を活用した工事だ。非常口はトンネルを掘削するシールドマシンの設置や保守に使う立坑(たてこう)で、約5キロごとに設けられる。完成後は換気や非常時の乗客避難に使用する。

 大田区議の奈須利江(59)は「立坑が地下水脈を切ってしまうのではないか」と心配する。付近には洗足池から呑(のみ)川に至る池上用水があり、一部は暗渠(あんきょ)になっている。地下には下水道やガス管、通信ケーブルが混み合い、東京都多摩川への導水管を通す計画もある。リニアはさらにその下を通る。「交差部分で振動が影響し、管が破損したり、地盤が緩んだりすることは十分考えられる」

 川崎市中原区等々力(とどろき)非常口多摩川の堤防沿いにある。すでに6割の深さに達し、坑口に渡したクレーンで土砂の搬出が続く。

 リニア新幹線沿線住民ネット…

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