「仕事を始めたばかりで、自分は何になれるんだろうと模索していた」「自分の黒歴史、恥ずかしかったこと、そういうのをひっくるめて『愛(いと)おしい』って思いました」
16年ぶりの主演映画となる「青葉家のテーブル」(松本壮史監督)で西田尚美が演じるのは「珍しく等身大な役」なのだという。映画から、ドラマ、コントまで、様々な役柄に挑戦する彼女に、ウェブドラマから長編映画になった作品への思い、映画のテーマでもある「青春」について聞いた。
――企業によるウェブの短編ドラマが話題を呼び、長編映画になりました
ウェブドラマから始まったので、びっくりしました。最初から関わらせてもらえたから、そのまま映画にも出させていただけて本当にうれしかったです。そういうふうに役が続くってなかなかないことなので、ありがたかったです。
――演じるのは、息子を育てながら働くシングルマザーの春子。飲み友達とその恋人の4人で共同生活を送ります。この作品の魅力はどんなところだと思いますか
本当の家族ではないんだけど、でもなんかすごく家族みたいな絆や繫(つな)がりがあって、すごく人に優しいというか、お互いを尊重しながら、寄り添っているような、そういう話になっている。
常に誰もが経験する、ちょっとしたことをおさめているのが、たぶん共感を得ているんじゃないのかな。
――暮らしを大切に、という思いも込められていますが、共感する部分は
ご飯を作ったりするのは好きだし、生活のリズムが似ているって思います。子どもが1人いて、自分が働いていて、私には夫がいますけど、年頃もこの春子さんとはたぶん同じぐらいで。
自分が負わなきゃいけない責任というか、そういうところがすごく似ているから、共感できる。ちょっと疲れたな、しんどいな、ちょっと休みたいなという時、カップ麺にしたりとか、すごくわかる(笑) そういうところも好きですね。
――西田さん自身、暮らしで大事にしていることはありますか
暮らしを大事に コロナの変化も
そうですね……。家にいる時はあんまりせかせか時間に縛られないようにしています。
約束をあんまり決めないというか、まるっと空けておいて、その中で今日何をしよう、と。出来るところで映画を見に行こうとか、友達に会うとか。それを決めて自由に、あんまり時間で細かく決めず、ゆとりをもって生活するのが好きです。そこは邪魔されたくないというか、大事にしたいですね。
――実は15年前の朝日新聞の記事でも「仕事だけがすべてではなく、日々の生活もあっての仕事」と語っていました
(当時の記事を見ながら)う…