コロナワクチンで若者に心筋炎 「ごくまれ」と米CDC

熊井洋美、ワシントン=合田禄
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 米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルスのワクチン接種後、心臓に炎症が起きる「心筋炎」や「心膜炎」が副反応として特に若い世代で起きているというデータを公表した。ただ、極めてまれで、すでに多くが回復していることから、12歳以上の接種を強く推奨し続けるとした。

 米国では12歳以上がワクチンの接種対象で、全体ではすでに3億回以上が接種されている。CDCの23日の発表によると、「メッセンジャーRNA(mRNA)」という遺伝物質を使うファイザー製とモデルナ製を接種後、心筋炎や心膜炎が起きた人が今月11日までに約1200人いたことが確認できたという。特に20代以下の男性で多く、2回目の接種後で目立った。

 29歳以下の323人について経過を調べたところ、309人が入院。295人は既に退院した一方、9人がまだ治療を受けていて、このうち2人が集中治療室に入っていたという。

 分析結果を受け、CDCや米保健福祉省、米国小児科学会などは連名で「副反応は極めてまれで、若い世代ではほとんどが軽い症状だ。ワクチンを打たないリスクの方がはるかに大きい」とする声明を出した。

 ワクチン接種後の心臓の炎症について海外で報告があることから、若い世代への接種が今後本格化する日本でも、専門家らが状況を注視している。日本小児科学会は今月にまとめた見解で、子どもへのワクチン接種は感染予防策として「意義がある」としたうえで、副反応の説明を入念にするように求めている。

 心筋炎や心膜炎は、新型コロナウイルス感染症の合併症としても報告されている。

 米医師会雑誌(JAMA Cardiology)の報告によると、新型コロナに感染した米国のアスリート(平均年齢19歳)1597人の心血管検査をしたところ、2・3%にあたる37人に軽度または無症状の心筋炎が確認された。若い世代では、コロナ感染で軽症・無症状の心筋炎を発症する恐れがあり、その頻度はワクチン接種後よりも高いことが示唆された。

 日本循環器学会は、「ワクチン接種により感染・重症化予防を図るメリットのほうが、接種後の急性心筋炎・心膜炎に対する懸念よりも圧倒的に大きい」との見解を出している。(熊井洋美、ワシントン=合田禄)