独自

中国化拒んだリンゴ日報 つらい別れと感謝、最後の1面

有料会員記事

香港=奥寺淳
[PR]

 香港の民主化を支持してきた日刊紙「リンゴ日報」が23日夜、最後の編集作業を終えた。編集局には記者たちが集まり、仲間たちをたたえ合った。24日付朝刊の発行部数は、普段の10倍以上の100万部。繁華街のニューススタンドでは未明から、「記憶に残したい」という市民らが長蛇の列を作った。

 23日午後11時40分、リンゴ日報本社。朝日新聞記者が取材許可を得て社内に入ると、2階にある編集局の中央に新聞作りを終えた100人余りの記者や編集者が輪を作り、大きな拍手と「オー」という歓声が響き渡っていた。

 輪の真ん中には、17日に香港国家安全維持法国安法)違反容疑で逮捕され、保釈された同紙の陳沛敏副社長ら幹部の姿があった。陳氏らが社員に「ありがとう」と手を振ると、上階まで吹き抜けでつながる階段から記者たちが身を乗り出し、「お疲れさま」と両手を振って応えた。

 リンゴ日報の記者たちは、昼までは国安法によって廃刊に追い込まれる悔しさや怒りを口にしていたが、その場はやり遂げた高揚感に包まれているようだった。リンゴ日報の姉妹誌「ネクストマガジン」の女性記者は「今日で終わった。悲しい」と言いつつ、この日は同僚と一緒に最後の記事を仕上げたといい、笑顔を見せた。

 日付が変わって24日午前0時すぎ、最後の朝刊が刷り上がって編集局に運ばれてきた。紙にインクが乗ったばかりで、新聞がまだ軟らかい。

 創刊から26年で幕を下ろす最後の1面の見出しは、「香港人と雨のなかのつらい別れ 『我々はリンゴ日報を支持している』」。前日夜、本社前に集まった数百人の市民がスマホの光を照らしながら送ってくれた声援を切り取ったものだ。1面に掲載された写真は屋上の記者たちと市民が声を交わす場面だった。

静けさ戻った編集局 こぼれた不安

 このほか、創刊した1995…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。