エチオピア軍が同国北部を空爆 市場の51人死亡
エチオピア北部ティグライ州の町トゴガの市場が22日、同国政府軍によって空爆され、少なくとも51人が死亡したとAP通信などが伝えた。医療関係者などの証言として報じた。他に100人以上が負傷し、少なくとも33人の行方が分からなくなっているという。
英BBCによると、空爆について政府軍は「テロリスト」を無力化するためのもので、市民を狙ったものではないと説明しているという。トゴガは州都メケレから北に約25キロにある。
同州では昨年11月、政府軍と地元政党ティグライ人民解放戦線(TPLF)との軍事衝突が勃発。政府軍が同月中にメケレを制圧したものの、その後も各地で戦闘が続いている。BBCは、TPLF側が最近州内で攻勢を強めていると報じていたが、政府軍は否定していた。
米国務省は23日、空爆を「強く非難する」との声明を発表。医療関係者が被害者たちの救援に駆けつけるのを治安部隊に妨害されたという報告があるとも指摘し、「エチオピア当局に対し、被害者が速やかに完全かつ邪魔されることなく医療を受けられるよう強く求める」と訴えた。
国連などは今月、州内で約35万人が飢餓状態にあるとの調査結果を発表しており、戦闘の激化によって状況がさらに悪化する恐れがある。(遠藤雄司)