コンビニはDHCと「取引中止を」 5万人分の署名提出

高橋健次郎
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 化粧品大手ディーエイチシー(DHC)が、在日韓国・朝鮮人に対する差別的な文章を会長名で公式オンラインショップに公開していた問題で、市民団体が24日、取引先のコンビニ各社に対し、同社との取引中止を求める約5万人分の署名を提出した。

 DHCは昨年11月、同社のサプリメントが他社より優れていると主張する中で、在日韓国・朝鮮人への差別的な言葉を使った文章を、吉田嘉明会長名で自社サイトに掲載。さらに、今年4月と5月にも、差別的な文章を載せた。文章はすでに削除されている。高知県南国市神奈川県平塚市など各地の自治体が、DHCとの協定を解消する動きも起きている。

 市民団体は「DHCとの取引の停止をコンビニ各社に求める会」。団体の世話人で、差別の問題も取材してきたジャーナリストの清義明さん(54)が市民らに呼びかけて結成。オンライン署名サイト「Change.org」で、先月から署名を始め、今月23日時点で5万2353筆を集めた。

 24日には、「セブン―イレブン」「ローソン」「ファミリーマート」「ミニストップ」の運営会社を回り、署名を提出した。

 署名とともに提出した文書では、DHCが文章を削除したことに対し「消費者や被差別当事者などへの公式の見解は一切なく、この批判を真摯(しんし)に受けとめている様子はまったく見られません」と指摘。「このような企業と取引を続けていくのは、企業姿勢や社会的責務を問われることになります」とした。今後、各社の回答を集めた上で、後日公開するという。

 清さんは署名の際の取材に、DHCの差別的文章について、特定の民族や国籍の人たちを排除する「ヘイトスピーチ」と指摘。「ヘイトスピーチを容認する企業と取引をしてもよいのか。見直してほしい」と話した。

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 署名を受け取った各社は、朝日新聞の取材に、次のように回答した。ミニストップは親会社のイオンが答えた。イオンは今月2日、DHCがイオンに対し「文章の非を認め、発言を撤回」したことなどから取引を続けると表明しており、回答も2日付の発表にならったとしている。

 「取引先に対しても、人種・民族・国籍の事由を理由とする不当な差別を助長するようなことがないように求めております。個別の取引先との取引の当否または適否については回答を控えさせて頂きます」(セブン-イレブン)

 「取引先に対し、人権に対する考え方をご理解頂けるよう対話を続けていく」(ローソン)

 「ビジネスパートナーと協働して人権尊重を推進すべく努めております。個々の案件については回答を控えさせて頂きます」(ファミリーマート)

 「(DHCに)当社の方針にご賛同、ご理解いただいたものと判断し、取引を継続することといたします」(ミニストップ)

 また、DHC広報部は取材に対し「コメントを差し控えさせていただきます」と回答した。高橋健次郎