陛下の懸念は「宮内庁長官自身の考え」 加藤官房長官

菊地直己
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 天皇陛下が名誉総裁を務める東京五輪パラリンピックをめぐり、宮内庁の西村泰彦長官が「開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されていると拝察している」と述べたことについて、加藤勝信官房長官は24日の記者会見で「宮内庁長官自身の考えを述べられたと承知している」と語った。

 西村氏は記者会見で、陛下の懸念を「私が肌感覚として受け止めているということ」とし、「直接そういうお言葉を聞いたことはない」と説明した上で、「陛下が名誉総裁をお務めになる五輪・パラリンピックで、感染が拡大するような事態にならないよう感染防止に万全を期していただきたい」と話した。

 西村氏の発言について問われた加藤氏は、「安全安心の大会を実現していく。そして国民のみなさんに安全と思って頂けるように取り組んでいく。引き続き関係者と緊密に連携しつつ、安全安心な環境を確保することを最優先に、大会に向けた準備を着実に進めていきたい」と述べた。

 五輪憲章では、開催地の国家元首が開会宣言を読み上げると規定。1964年の東京五輪、72年の札幌冬季では昭和天皇、98年の長野冬季では上皇さまがそれぞれ開会を宣言している。

 加藤氏は今月8日の記者会見で、今夏の五輪で天皇陛下が開会宣言を行うかどうかを問われ、「開会式の具体的な内容は現在、関係者間で調整を行うということであり、それ以上の言及は差し控えたい」としている。

 立憲民主党安住淳国会対策委員長は朝日新聞の取材に「政府がいう『安心・安全の大会』になるのか、懸念をもっておられるんだと思う。国民の多くも共有している。大変重い」と語った。同党の逢坂誠二・コロナ対策本部長も「我々国民の不安を代弁していただいている」とした。(菊地直己)