かつアイス?ぼんさいだんご? めくって遊ぶ仕掛け絵本

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聞き手・松本紗知
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 始めは、おいしそうな「てんぷら どん」や「カレー ライス」。しかし、上下に分かれたページを別々にめくっていくと、「かつ アイス」に「ぼんさい だんご」も……。思いもよらない組み合わせが次々に飛び出す仕掛け絵本「どんめくり」(ブロンズ新社、4月刊行)が評判です。組み合わせの妙に、大人もはまる絵本の成り立ちについて、作者のやぎたみこさんに聞きました。

兵庫県姫路市生まれ、武蔵野美術短期大学卒。2005年に講談社絵本新人賞佳作を受賞後、「くうたん」(講談社)でデビュー。絵本作品に「ほげちゃん」(偕成社)、「おにぎりがしま」(ブロンズ新社)など。

大口を開けたペリカンとワニ

 ――組み合わせは全部で231種類にもなります。着想のきっかけは?

 「もともと仕掛け絵本に興味がありました。仕掛けにもいろいろありますが、編集者さんから『上下別々にめくれる仕掛け絵本にしませんか』と提案を受けて、上下で組み合わせが楽しめるものを考えました。それで頭に浮かんだのが、どんぶりでした」

 「どんぶりの絵本なので、下半分は器のようなもの、上半分は具のようにのっかるもの……と考えていたのですが、次に頭に浮かんだのは、ページの下半分でペリカンとワニが大皿のように大きく口を広げた姿。いきなり器から離れてしまいましたが、『これは面白いぞ』と思い、食べものに限らず、いろんな組み合わせを考えていきました」

 ――1枚の絵としてだけではなく、他のページとの相性も重要です。

 「ダミー本を作って、実際にめくりながら、上下の組み合わせがしっくりくるかを何度も試しました。編集者さんに渡したものだけでも、10パターン以上は作ったと思います。一つの絵としては面白くても、他と組み合わせるとつじつまが合わなかったり、意味不明のものもあったりして。そのたびに描き直しをしました」

 「言葉も、そのものずばりの文章ばかりだと面白くないと思ったので、ペリカンが口を開いている場面は『バクッ!』にしたり、猫の場面は『すやすや』『ゴロゴロ』にしたり、擬音も使いました」

 「声に出して読んで、しっくりくるかどうかも確かめました。例えば下半分にくる『さむらい』は、組み合わせて読むには『ざむらい』にしないとしっくりこないんですね」

「まご ぶろ」「こうじちゅう ビル」…

 ――最終的に掲載する絵は、どのように決めたのでしょうか。

 「たくさん考えたなかから左…

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