筆記も面接も免除 教員のなり手不足、焦る教育委員会

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高浜行人、宮野拓也
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 教員志望者の減少に歯止めがかからない。背景には、かねて指摘されてきた厳しい労働環境がある。SNSには過酷な現状を訴える声があふれ、夏の採用試験を前にした受験生にも不安が広がる。教育委員会側は試験の免除などハードルを下げてまで、先生のなり手確保に躍起になっている。

 5月下旬、教員採用の大手予備校「東京アカデミー東京校」(東京都新宿区)に、大学4年生ら約50人が集まっていた。7月から本格化する採用試験に向けた直前講座だ。講師の言葉に熱心に耳を傾けた。

 その一人、私立大4年の女性(21)は、東京都の小学校教員をめざしている。ただ、最近は教員の仕事に不安が募る。きっかけは、文部科学省が3月にSNSで始めた「#教師のバトン」プロジェクトだ。教師の魅力発信が文科省の狙いだったが、ツイッターで集まったのは、部活で休めない、長時間労働で結婚できないなど、過酷さを訴える内容ばかり。「こんなに大変なんだ」と驚いた。

 熱心だった小学校の担任に憧れて抱いた夢だが「教員になって続けていけるか、すごく心配」と話す。

 小学校教員志望の青山学院大4年、酒井康熙(こうき)さん(22)も「想像するよりはるかに大きい負担があるのでは、と考えてしまう」。教育実習は今秋。現場を知らずに夏に試験を受ける不透明さが、不安につながっている。それでも「まずは経験してみないとわからない。挑戦したい」という。

 既卒生の工藤智子さん(23)は、中学校で放課後教室の支援員の仕事をしながら高校の英語教員をめざす。生徒とのやりとりは楽しく、教師への思いは強い。高校教員の受験者も減っており、「今年受からないといけないのでチャンス」という。ただ、疑問もある。「仕事が減らないとめざす人が増えないのでは。先生が自分を大事にできずに、生徒と向き合えるのか」

なり手確保へ、1次試験免除制度も

 先生のなり手を確保しようと、教育委員会は様々な独自策を打ち出す。

 福岡市教委は、来年度実施の…

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