EU、ベラルーシ基幹産業に制裁 政権変化を期待し圧力

ブリュッセル=青田秀樹
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 反政権派への弾圧がやまないベラルーシに対し、欧州連合(EU)は24日、肥料や石油製品など同国の基幹産業を対象にした経済制裁を発動した。従来は個人や個別企業への制裁だったが、産業活動に打撃を与え、政権の行動を変える圧力を強める狙いだ。

 対象とするのはカリウム肥料、石油製品、たばこ製造の機器類で、EUとベラルーシの間の取引を禁じた。また、ベラルーシ政府や政府系の機関に対するEU側からの融資や、金融サービスの提供などを制限。さらに、インターネットや電話での通信、通話の監視につながる機器、ソフト類のベラルーシ向け販売なども原則として禁じた。

 ベラルーシは世界有数とされるカリウム肥料の国営企業を擁し、2020年の輸出額は約24億ドル(約2600億円)。また、ロシアメディアによると、ロシアから安い価格で購入した石油を加工した石油製品の輸出額は約40億ドルを超え、国内総生産(GDP)の約7%を占めるという。新たな制裁はベラルーシのルカシェンコ政権を動かすため、「経済的に干上がらせる」(ドイツのマース外相)手段として導入した。

 ベラルーシでは昨夏の大統領選に不正が指摘され、抗議する反政権派の市民やメディアへの弾圧が続く。5月にはEU加盟国間を結ぶ旅客機が首都ミンスクに強制着陸させられ、反政権派ジャーナリストらが拘束される事件が起きた。

 EUは米国や英国などと連携しつつ、これまでに4度の制裁を発動。計約180の個人や企業に、EU内の資産凍結や域内への渡航禁止措置をとっていた。ただ、政権への影響力は限定的だった。(ブリュッセル=青田秀樹)