「一つの声」強まる香港社会、メディア「中国化」進む 

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香港=奥寺淳
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 日刊紙「リンゴ日報」が廃刊し、中国共産党を正面から批判する大手メディアが香港から消えた。香港メディアの中国化は急速に進む。自由と多様性が世界を引きつけてきた香港は、「一つの声」しか聞こえない社会になりつつある。

 「24日を最後に、香港には『リンゴ日報』はない。死んでしまった」

 同紙は最後の社説でこう記し、中国共産党に刃向かうことを許さない香港国家安全維持法国安法)のもと、新聞の自由が破壊されたことを悔やんだ。

 1997年に英国から中国に返還された香港では、「一国二制度」のもとで言論の自由が保障され、親中、中立、反中など多様なメディアが並び立っていた。香港は中国本土では報じられない共産党政権の舞台裏や、人権侵害などの実態を知る「中国をのぞく窓」でもあった。

 しかし、次第に「赤い株主」といわれる中国資本が香港メディアに入り、親中色が強まっていった。大手テレビ局は中国に批判的な番組を控え、毎日、中国国歌を流している。中立的とされる「明報」も中国に批判的な論評が減った。2019年に容疑者を中国本土に移送できる逃亡犯条例改正案に反対する大規模デモがあった日も、改正に「賛成」を掲げる政府の広告を1ページ目の全面に掲載した。

 また、海外にも読者が多い英…

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